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2025.06.13

コラム

大人の歯科矯正で後悔しないために|始める前に知りたいリスクと副作用まとめ

大人の歯科矯正で後悔しないために|始める前に知りたいリスクと副作用まとめ

大人の歯科矯正は美しくなる一方でリスクや副作用も。歯科医師が痛み・歯根吸収・歯肉退縮・後戻りなど、大人の矯正治療に伴う注意点を歯科医師目線でわかりやすく解説します。


はじめに

ずっと歯並びが気になっていたけど、大人になってから矯正するのは不安…
実はこのように迷われる方はとても多いです。矯正治療は見た目の美しさはもちろん、噛み合わせや健康にも良い効果がありますが、一方でリスクや副作用もゼロではありません。

特に仕事や結婚、ライフスタイルが安定してきた成人にとっては、「治療を始めてから後悔したくない」という思いが強いはず。

今回は、矯正を検討している方が不安なく一歩を踏み出せるように、大人の歯科矯正で知っておくべきリスクや注意点を歯科医師がわかりやすく解説します。


目次

  1. 大人の歯科矯正にもリスクはある?
  2. 歯の移動に伴う痛み・違和感
  3. 歯根吸収(歯の根が短くなる現象)
  4. 歯肉退縮(歯ぐきが下がるリスク)
  5. 顎関節症(顎の痛み・クリック音)の悪化
  6. 虫歯・歯周病のリスク上昇
  7. 後戻り(治療後に歯並びが崩れる可能性)
  8. 後悔しない大人の矯正治療のために重要な5つのポイント

1. 大人の歯科矯正にもリスクはある?

矯正治療は子供だけのものではなく、今は20代・30代・40代で始める大人の女性が特に増えています。
ただし、「歯を骨の中で動かす治療」である以上、少なからずリスクや副作用があるのも事実です。

  • 治療による痛み
  • 歯根吸収
  • 歯肉退縮
  • 顎関節症の悪化
  • 虫歯・歯周病のリスク増加
  • 後戻り

これらのリスクは適切な診断・管理でほとんどがコントロール可能です。事前に知っておくことで安心して治療に臨めます。


2. 歯の移動に伴う痛み・違和感

矯正を始めると多くの方が「歯が痛い」「噛みにくい」と感じます。これは歯が動くための自然な反応です。

  • 装置の調整後2〜3日が最も痛みが強い
  • 食事で硬いものを噛むと違和感がある
  • アライナー矯正(インビザライン等)でも着け始めは圧痛が出やすい

ほとんどは数日〜1週間で落ち着きます。痛み止めが必要な場合は歯科医が適切に対応しますのでご安心ください。


3. 歯根吸収(歯の根が短くなる現象)

矯正中に気をつけたいのが歯根吸収です。過剰な矯正力や長期の負荷で歯の根がわずかに短くなることがあります。

リスクが高くなるケース

  • 前歯の大きな移動
  • 矯正期間が長い
  • 外傷歴がある歯

歯根吸収が進行すると?

  • 軽度なら日常生活に影響は少ない
  • 重度になると歯の寿命が短くなることも

歯科医が定期的にレントゲンでチェックし、進行を抑える治療計画を立てます。


4. 歯肉退縮(歯ぐきが下がるリスク)

歯を外側へ移動させることで、歯ぐきが下がる(歯肉退縮)ことがあります。特に女性は歯肉が薄いケースも多く注意が必要です。

リスクが高い人の特徴

  • 歯列拡大を伴う治療
  • もともと骨や歯肉が薄い
  • 歯周病既往がある

歯肉退縮は見た目の問題だけでなく、知覚過敏を招くことも。
事前に歯肉の状態を把握し、必要なら骨造成や歯肉移植などの補助治療も検討できます。


5. 顎関節症(顎の痛み・クリック音)の悪化

矯正治療により噛み合わせが変わることで、顎関節症(TMD)が悪化するケースもあります。

  • 顎がカクカク鳴る(クリック音)
  • 顎のだるさ・痛み
  • 開口障害(口が開きにくくなる)

既に顎関節症の症状がある場合は、矯正開始前に十分なカウンセリングと検査を受けましょう。必要に応じて顎関節の専門治療も組み合わせます。


6. 虫歯・歯周病のリスク上昇

矯正中は装置が邪魔になり、虫歯や歯周病になりやすくなります。

主な原因

  • 装置の周囲にプラークが溜まりやすい
  • 歯磨きしにくくなる
  • 歯肉炎が起こりやすい

予防策

  • 矯正用の歯ブラシ・フロスを使用
  • フッ素ジェルや洗口液の活用
  • プロによる定期クリーニング

大人の矯正は特にセルフケアが重要です。歯科衛生士の指導を受けることをおすすめします。


7. 後戻り(治療後に歯並びが崩れる可能性)

矯正治療後、歯は元に戻ろうとする力(後戻り)が働きます。特に成人は骨の柔軟性が低いため油断は禁物です。

主な原因

  • 保定装置(リテーナー)の不使用
  • 舌癖・口呼吸の影響
  • 加齢による骨代謝変化

対策

  • 医師の指示通りリテーナーを装着する
  • 悪習癖の改善(MFTなど)
  • 定期的な保定チェック

「矯正はリテーナーまでが治療」と言われるほど、保定は非常に大切です。


8. 後悔しない大人の矯正治療のために重要な5つのポイント

  • 専門医でのカウンセリングを受ける
  • 精密検査をしっかり受ける(CT・骨格分析)
  • リスクとメリットを十分に理解する
  • セルフケアを徹底する(歯磨き・定期検診)
  • 保定期間を守り、長期管理を続ける

まとめ|リスクを知ることで矯正治療はもっと安心に

大人の歯科矯正は、歯並びだけでなく自信や健康までも変えてくれる治療です。
一方で、リスクや副作用について正しく知っておくことで、後悔のない治療につながります。

信頼できる歯科医師のもとでしっかりと準備をすれば、矯正は決して怖いものではありません。
疑問や不安がある方は、ぜひ専門のカウンセリングでご相談ください。

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