親知らずの抜歯が必要かどうか - ガイドライン
親知らずとは?
親知らずは第三大臼歯(前から8番目の歯)と呼ばれ、通常は10代後半から20代前半にかけて生えてくる一番奥の歯です。多くの人にとって、親知らずは様々な問題を引き起こすことが多く、抜歯するかどうかの判断が必要です。
最初に結論を言っておくと、『9割以上の方が抜歯が必要』と私は考えています。
親知らずを抜くべき理由
1. 不適切な位置
親知らずが適切な位置に生えないことがよくあります。斜めに生えたり、隣の歯にぶつかったり、部分的にしか生えてこなかったりすることがあります。このような場合、以下の問題が発生する可能性があります。
- 痛み:不適切な位置に生えた親知らずが歯茎や他の歯に圧力をかけ、痛みを引き起こします
- 感染:部分的にしか生えていない親知らずは、周囲の歯ぐきに細菌がたまりやすく、歯周病棟の感染のリスクが高まります
- 歯列の乱れ:親知らずが他の歯に圧力をかけると、歯列が乱れることがあります。特に矯正治療を受けた人にとっては後戻りしてしまうため、深刻な問題となることがあります
2. 虫歯や歯周病のリスク
親知らずは口の奥に位置しており、歯磨きが難しいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。またその存在のために、手前の歯の虫歯や歯周病のリスクも同様に引き上げてしまうことがあります。これらの問題が発生すると、治療が難しくなることが多く、予防的に抜歯が推奨されることが多いです。
3. 嚢胞や腫瘍のリスク
親知らずの周囲に嚢胞(液体がたまった袋状の組織)や腫瘍が発生することがあります。これらは周囲の骨や歯にダメージを与える可能性があり、早期に親知らずを抜くことでリスクを軽減できます。
4. 矯正治療の術前処置
歯科矯正治療を行う前に、一番奥にある親知らずを抜かなければならないケースが多いです。親知らずを抜くことで、上下の奥歯を動かしやすくなり、また虫歯のリスクを下げることができます。
親知らずを抜かない場合
親知らずを抜かずに済む場合もあります。以下の条件が整っている場合、親知らずを抜く必要がないこともあります。
- 正常に生えている:親知らずが正常な位置に生え、他の歯や歯茎に問題を引き起こしていない場合
- 対合の歯と噛み合っている:親知らず同士がしっかりと噛んでいる場合
- 健康な状態:親知らずに虫歯や歯周病の兆候がない場合
- 適切なケアが可能:親知らずが適切に清掃でき、口腔内の健康を維持できる場合
費用について
親知らずの抜歯は基本的には保険適用となります。
単純に1本抜歯の場合は1,000~2,000円ほどみておけば良いでしょう。
埋伏抜歯といった難易度の高い抜歯の場合は、精密検査のためにCTというレントゲンを撮ったり、そもそも術式が複雑になり骨を削ったり糸で歯ぐきを縫ったりするケースがあります。
そういった場合は、5,000円程度高くなることもあります。
またまとめて抜歯を希望される場合も同様です。
まとめ
親知らずを抜くかどうかの判断は、個々のケースによります。痛みや感染、歯列の乱れなどの問題がある場合、抜歯が推奨されることが多いですが、健康な状態で適切にケアできる場合は、抜かない選択肢もあります。最終的にはかかりつけ歯科医の診断とアドバイスを基に、最良の決断を下してください。
また健康な歯と歯ぐきを保つためには、定期的な歯科検診が重要です。親知らずに関する不安や疑問がある場合は、遠慮なくご相談ください。
Yardでは、基本的には幅広い親知らずの抜歯に対応しております。
難易度の高いケースやまとめて抜歯をご希望の場合、近隣の高次医療機関をご紹介いたします。